あなたには、願いや痛みなどの本当の気持ちをわかってほしいのに、なぜか表面的なことしか伝えられなかったことってありませんか?
たとえば本当は寂しかった気持ちをわかってほしいだけなのに、なぜか相手の行動を攻撃するだけになってしまうようなことです。
今回の「恋愛Jp」Q&Aは、お洒落なレストランに行くには…? という話ですが、それはあくまで手段であって、本当の目的はそこではないようです。
この違いを自覚できて、素直に伝えることができれば、お望み通りの現実が手に入りやすくなったりします。
今あなたが何か望みや願いをお持ちなら、その下にある「本当の願い」は何なのか見つめ直してみると、違う展開になるかもしれません。
【相談者:20代女性】
彼がデートの食事にお金をかけたがりません。
基本は割り勘にしていますし、彼も特別貧乏というわけではありません。
別に高級レストランじゃなきゃダメとかいうことじゃなくて、せっかく二人でいるんだから食事もその場の雰囲気も楽しみたいだけなんです。
でも彼は安くておいしいB級グルメみたいな感じの店が大好きです。
もちろん私も安くておいしいのは好きですけど、いつもいつもそんな感じだとちょっとさびしくなります。
彼と食事を楽しめるようになるいい方法はないでしょうか。
A.心理テクニックに加え、表面的でない思いを上手に伝えよう
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
なるほど、デートが毎回B級グルメってたしかに微妙ですね(苦笑)
まあ、“食事”というものに関する価値観も人それぞれです。
だから、あなたのようにその場の空気も含めて楽しみたい人もいれば、多少汚い店でもウマイもんを食べたい人、栄養さえとれれば何だっていい人……、いろいろですよね。
おそらく、彼の食事についての価値観を一瞬でガラッと変えるようなポイントを探すのは、残念ながら簡単なことではありません。
そこでちょっとした心理テクニックを使って、彼の心理ハードルをぐっと下げてみましょう。
“まず拒否させてから譲歩”という心理テクニック
まず、社会心理学者のロバート・チャルディーニ博士らが行った実験をご紹介しましょう。
ボランティアを装った実験者が学生に、「非行少年たちを動物園に連れて行くのを手伝ってほしい」と頼んだところ、承諾したのはわずか17%でした。
ところが、この依頼をする前にもっとヘビーなことを頼んでみると結果が変わったのです。
具体的には、「最低でも2年間、毎週2時間も非行少年たちのカウンセラーを務める」というオトコマエな依頼です(笑)
当然学生は拒否しますが、その後に先程と同じ動物園の依頼をしたところ、なんと3倍の50%もの学生が承諾したのです。
このように、最初に相手が到底OKしないようなハードルの高い要求をして拒否させた後で、それよりもっとハードルの低い、本来受け入れさせたい要求を出すことで承諾させる確率が格段に上がるのです。
これは心理学で『ドア・イン・ザ・フェイス』と呼ばれるテクニックで、営業などでよく使われるものです。
食事にお金をかけたがらない彼と、ちょっとオシャレなレストランでゆったり楽しい時間を過ごす……。
あなたの夢を叶えるために、このテクニックを使ってみてください。
あなたが望んでいる本当の願いを素直に伝えることも大切
具体的にやりとりをイメージしてみてください。まずはじめは、無茶なことを頼んでみればいいんです。
「週末は三つ星レストランに正装して行ってフルコースに高級ワインをボトルで飲みたい」みたいな感じでしょうか?
……すみません、実はぼくもB級グルメ派なのでこの法外な要求の内容がイメージできません(笑)
とにかく、その後で「食べ○グの評価が4.2の、ここのレストランに席だけ予約したい」なんて感じでどうでしょう?
ここでものすごく大切なのは、あなたの目的が単に“高いお店に行きたい”ってことではないと、彼が理解できる伝え方をすることです。
あなたがこだわっているのは値段の問題だけじゃなくて、ゆったり楽しめる雰囲気の中で食べるおいしい料理と彼との楽しい会話……そんな時間を他でもない彼と過ごしたいんですよね?
行きたいお店という“表面的な”願いの下にある、そんな本当の気持ちをちゃんと伝えてくださいね。
彼があなたのその思いを理解してそんな時間を共有できた結果、「楽しい」という記憶が彼の中にできると、またそんな時間を楽しみたいと彼自身も願うようになっていくかもしれませんから。
ぜひ、上手な伝え方を考えてみてくださいね。
ということで、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックという心理テクニックをご紹介しました。
最後に、スペインの詩人アウレリウス・プルデンティウス・クレメンスの言葉をご紹介しますね。それは、『楽しい顔で食べれば、皿一つでも宴会だ』というものです。
もちろんお店の雰囲気も大切ですけれど、一番大切なのはお二人がデートの時間を楽しもうという姿勢だと思います。
『楽しい顔で食べれば、皿一つでも宴会だ』、料理と一緒にぜひこの言葉も味わってくださいね。お二人のデートがもっと楽しくなりますように!
【参考文献】
・『Reciprocal concessions procedure for inducing compliance: The door-in-the-face technique.』Cialdini, R. B.; Vincent, J. E.; Lewis, S. K.; Catalan, J.; Wheeler, D.; Darby, B. L. /Journal of Personality and Social Psychology, Vol 31(2), 206-215.
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今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
咲坂好宥
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